三菱PHEVプラットフォームへの期待


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アウトランダーPHEV 2019年モデルの発売


アウトランダーPHEV 2019年モデルが8月発売されましたね。

ニュースリリース(2018年08月23日)プラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』を大幅改良

PHEVシステムと足回りのS-AWCに新たなモードを加えた大幅アップデートです。

2016年に若干不評であったエクステリアデザインを大幅改良し、今回は基幹となるシステムに大きな手を入れてきました。

アウトランダーPHEVは2018年上半期の国内販売実績を見る限り、2,595台 : 前年比 97.4%ということで、ミニバンのデリカD:5(7,233台 : 前年比 107.4%)、新型コンパクトSUVのエクリプスクロス(7,777台)、軽自動車のeKワゴン・eKカスタム(17,472台 : 前年比 123.3%)などに比べるとガソリンモデルのアウトランダー(1,250台 : 前年比 85.6%)を加えたとしても、販売実績に力があるとは言えないものです。

三菱自動車 2018年6月単月、18年上半期 生産・販売・輸出実績

一方、欧州に目を向けたときアウトランダーPHEVが極めて好調かと思いきや、2016年度ベースではありますが、オランダ等での税制変更の影響等で前年度比13%減と販売数を減らしており、北米や中国への展開を見据えて商品としてのテコ入れが必要な状況でした。

アニュアルレポート2017年 ※10.地域別営業概況 参照

今回のシステム刷新は、そういう背景があって約2年という短期で仕上げてきたものと理解しています。

ネガティブな入り方をしましたが、今回の基幹システム改良は、商品としての魅力度を大幅に向上させたことはもちろん、三菱の真面目なクルマづくりをアピールするに相応しいモデルに仕上がったと感じています。

エンジニアや広報、ディーラー各社など、各員のモチベーションを維持・向上させるという意味においても重要な価値をもつプロジェクトだったのではないでしょうか。

中期経営計画と今後のアウトランダーPHEV


2017年10月に発表された電動化戦略について、アウトランダーPHEVを中心に振り返ってみたいと思います。

プレゼン資料には、以下の通り2013年の初代モデルと2015年のエクステリア改良モデルがポイントとして置かれています。

そして2020年以降として次世代アウトランダーPHEVが計画されています。

三菱自動車中期経営計画_電動化戦略201710

三菱自動車中期経営計画(2017年10月18日)

2016年から開発着手していた2019年モデルは、この時点で公にされていませんでした。

中期経営計画発表から4か月後の年を跨いだ2018年2月、ジュネーブ国際モーターショーで2019年モデルが発表されました。

『アウトランダーPHEV』の2019年モデルを世界初披露(2018年2月20日)

さて、この2019年モデルは、2020以降に計画されていた次世代アウトランダーPHEVの前倒し展開というべきものだったのでしょうか。

システムの約9割に手を入れ、エンジニアの方々は中身に関してはほぼフルモデルチェンジクラスだと胸を張っています。次世代モデルがこの2019年モデルだということもできるかもしれません。

ですが、一方で2016年のパリモーターショーにおいて、GT-PHEVコンセプトを発表しています。

MITSUBISHI GT-PHEV Concept 概要(2016年パリモーターショー)

コンセプトの概要として注目すべき点は以下であり、今回の2019年大幅改良モデルは2020年以降の次世代アウトランダーPHEVと別物であることがわかります。

  • EV走行距離120kmを謳ったグランドツーリングカーの位置づけであること
  • 次期パジェロを意識したGC-PHEVを踏まえると、サイズ感からして次期アウトランダーPHEVを見据えたものであること

次世代のアウトランダーPHEV 202X、個人的にも大きな期待を寄せています。

何がよいってデザインがとにかく秀逸ですよね。

スクエアでありソリッドであり、野暮ったさがなく、内装のデザインもそうですが、なにより室内空間が広そうなところが大きな魅力です。2年前に発表されたものであるにも関わらず、古さを感じさせません。

これまでの三菱自にはなかった恐ろしく洗練されたデザインだと思います。

(e-EVOは個人的には幼稚で野暮ったく見えてます)

デリカPHEVがリリースされないのであれば、今のところ私の購入候補のNo.1です。

202X年と言わず、2020年中のスピード感で早くリリースしていただきたいものです。

余談ですがGC-PHEVはその後のコンセプト発表がありませんよね。

パジェロクラスで大型PHEVモデルを展開したとして、アウトランダーPHEVとの違いはなんでしょう? 3列シート?

3列シートであればパジェロを作るよりデリカをPHEV化した方がコンセプトの線引きが明確になります。

とはいえ、現状のデリカは主なマーケットが日本国内と一部海外に限られるため、パジェロのようなグローバルモデルとして3列シート大型SUVとしてのPHEVモデルを作ることの意味はあるのかもしれません。

上記のプレゼン資料には、「コアモデルの電動化」と明記されていますしね。

三菱におけるコアモデルとはパジェロ、デリカ、(ランサーエボリューション)、ekシリーズを指していると理解しています。またエクリプスクロスも小型SUVとして三菱自のなかで既にコアモデルの位置づけにあると言えるのかもしれません。

(デリカは販売シェアが大変小さい日本国内中心モデルなので微妙かもしれませんが・・)

ただ、この電動化戦略、私個人的にはちょっと懸念しています。

多車種展開のリスク


三菱自に果たして軽自動車から大型SUVまで、EV化、PHEV化を展開していくだけの体力(開発資金と人材規模)はあるのでしょうか。

次期パジェロの位置づけとしてのPHEVシステムとは、クリーンディーゼルエンジン+大型モーター、大容量電池の搭載?でしょうか。

e-EVOLUTIONのPHEVシステムとは、パフォーマンス重視の小型ターボエンジン+3モーター?

エクリプスクロスのそれは?次世代アウトランダーPHEVのそれは?それぞれどんな個性を与えるつもりでしょうか。

これまで発表してきたコンセプトモデルは、上記のようにそれぞれ既存のコアモデルを電化したらどんなイメージになるだろう、を形にして提案してきたように見えています。

それゆえコンセプトごとに異なる方式の提案になってしまっていました。

もし、この考え方に沿って将来車種別に異なる方式のPHEVシステムを作ろうとしているのだとしたら、開発リソースの確保や製造ラインの対応は勿論、ラインナップが増えてシステムのVersionを複数世代抱えるようになり、整備性の悪化や不具合対応のコスト等々ありとあらゆる部分に金が掛かってきます。

あまりに現実的ではありません。

三菱の電動化が目指すべき方向性 ~共通プラットフォームの構築~


三菱PHEV・EVは三菱自の歴史であり個性であり、ブランドであり中心に据えるべきものです。

中・大型クラスに対応可能な共通プラットフォームとして、

Mitsubishi PHEV Platform(MPP)

小型・中型クラスに対応可能な共通プラットフォームとして、

Nissan EV Platform(NEP)

を開発し、ブランド化して市場に対する訴求力を強化してはいかがかと考えます。

(個人的に、日産e-POWERには将来性は無いと考えています)

提案の内容がトヨタのTNGAやスバルのSGPの2番3番煎じなのは小恥ずかしいのですが、私が言うまでも無く共通プラットフォーム化のメリットは、コストメリットから始まり信頼性向上、ブランドイメージ向上、競争力向上などなど多岐に渡ります。

(場合によっては大型クラスのモデルはプラットフォーム共通化の対象から割り切って外してしまう判断も必要かもしれません。。)

また、市場ではすでにその兆候は見えていますが、プラットフォーム自体を商品として、他社へ販売していくといったプラットフォーム競争時代は必ず来ます。

その時代を見据えた対応を早期に打つべきです。

EVに関しては日産の技術を、PHEVに関しては三菱の技術を投入し、アライアンスの効果を最大化すべきです。

マツダは、内燃機関に大きな強みと自負があるがゆえに、この将来を見ようとしていません。

スバルは、駆動系において機械制御の歴史は積んできたものの、電子制御は三菱に比べてもだいぶ後発であり技術の積み重ねができていません。

この2社の将来は、ゆくゆく追い込まれて自社開発を試みるも断念し、他社のプラットフォームの購入 → 技術力低下 → ブランドイメージの低下、市場競争力の衰退といった憂き目にあうものと私は考えています。

競争で闘えるのはトヨタぐらいです。

もしかしたらパナソニックや自動車部品メーカ各社がEVプラットフォームを開発・展開して市場のシェアが様変わりするかもしれません。

次回のモーターショーでは上記のような共通プラットフォームをコンセプトとして発表してくれたら、話題性は相当なものになるのではと考えてしまいます。

弱小メーカーである三菱自がとるべき選択と集中の方向性は、こういったものなのではないでしょうか。

色々言いたいことを書きましたが、電化が進む将来を見据えた時、三菱は優位な立場にあります。

今後の三菱自に期待しましょう。

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