小説『ミレニアム』(スティーグ・ラーソン著 早川書房) が面白い!


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『ミレニアム』読み終わってしまいました・・・
これほどの読後の喪失感は久々です。
高校生以来です。

今まで読んだ小説のなかで自分の中でベストに挙げていたのは、その高校生の時に読んだ佐々木譲の著『エトロフ発緊急電』でした。

が、これはそれを上回ります。
訳者”ヘレンハルメ美穂”による日本語もその魅力に輪をかけています。
彼女の訳はとても自然で、
文中にはじんわり染みてくるフレーズや日本人の感性に”来る”言葉があちこちに散りばめられていて、そんな箇所は何度か読み返して堪能していました。素晴らしいです。

エトロフ発緊急電も「第二次大戦三部作」の内の1作で、長編です。スパイものです。


「新潮社」
http://www.shinchosha.co.jp/

エトロフ発~の主人公ケニー斉藤(斉藤賢一郎)の記憶力と行動力は、ミレニアムに登場する主人公(と言っていいでしょう)リスベット・サランデルのキャラクターと重なります。
リスベットのそれは疾患という形で特異な能力として強調されており、彼女の行動力は華奢な体に似合わず男性らしさを感じさせます。
同様にエトロフ発~でケニー斉藤と恋に落ちる岡谷ゆきの存在は、ミレニアムのもう一人の主人公ミカエル・ブルムクヴィストがリスベットを支える姿に重なります。

加えてどちらの作品も彼ら彼女らを取り巻く人間を、背景から普段の性格、性癖など綿密に魅力的に描いており、それらの様々な思いを抱えた登場人物たちが絡み合って物語を複雑豊かなものにしています。

佐々木譲作品が好きな方、ミステリー作品が好きな方は絶対に読むべきです。

私はミステリーの中でもスパイものが好きなようなのですが、
本書はそんな一つのジャンルに収まりません。
ミレニアム3巻はそれぞれストーリーは繋がっていはしますが、物語の様相はそれぞれ違ったものになっています。
飽きさせません。

著者スティーグ・ラーソンが既に亡くなっていることが残念でなりません。
2004年に50歳の若さで亡くなってしまった。。
訳者あとがきによると著者は全5巻の構想で本書に着手しており、既に4巻の草稿が存在するそうです。
ですがその出版の権利をめぐって著者の親族がもめていて、出版の目処は立たないとのこと。

親族のもめている様は『ミレニアム1』のヴァンゲル家そのままです。

読みたい・・・4巻読みたい・・・

せめて彼の他の作品もあればいいのにと思うのですが本書はなんと彼の処女作だったのです。

恐るべしスティーグ・ラーソン。
夢中になれる物語に出会わせてくれた彼に、感謝と哀悼の意を表します。



「ハヤカワ・オンライン 早川書房のミステリ・SF・ノンフィクション」
http://www.hayakawa-online.co.jp/

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